漢方のめぐみ(78) 漢方の役割!
2023/01/25
 今年で40周年を迎えるモチヅキ薬局で学んだ事がいっぱいあります。もちろん、お客様に教えていただいたことがほとんどですが、出発点は、50年以上前に祖父を肺がんで亡くした時です。

 そこからこの漢方の道を目指し、がんなどの生活習慣病を何とかしたいと考えだしました。

 それで、おぼろげながら医療に対して見えてきたことは、西洋医学は、病気を特定し、それを治療するものであるのに対して、漢方(東洋医学)は、症状を軽減したり命を守るものであると感じます。

 どちらの医学も大事なものですが、私たち漢方相談薬局の薬剤師は、西洋医学に関わることはほとんどないのですが、漢方やサプリメントやその他の食事療法や運動療法などに関わることが多いです。

 たまには、お医者さんに行くのが嫌いで来られる方もありますが、うちの薬局は、日常生活や人間関係のストレス解消の場所だと思っております。

 中医学の師匠の猪越先生の教えは、ただひとつ、お客様に寄り添うことでした!それをただひたすら追い求めた結果が、今のモチヅキ薬局だと考えています。

 その中での漢方の役割は、お客様にどれだけ寄り添えるか、症状を緩和できるか、命を守れるか、のことに必要な医療だと考えております。

 どんな最新医療が出てきても、すべての人に寄り添うものでもないと思うので、地道に漢方の道を進んでいきたいと考えています。
 

 

漢方のめぐみ(77) 漢方は統計学?
2023/01/12
 西洋医学などでもてはやされている言葉に、エビデンスという言葉があります。論拠、証拠、根拠、証言、形跡など、薬学の世界でもその薬がなぜその病気に用いられるのかを現したものでもある。

 漢方医学でも、弁証論治が近い言葉に挙げられるが、今は、漢方の講師もエビデンスを多用している方も多く、学術的な考察の方が注目されるようになってきた。それも、対面よりネットを重んじた社会が作り出した陰部であろうと考えられる。

 もともと医療は、対面ありきの臨床からスタートするもので、何となくだが統計学の要素もかなり含んでいるような気がする。

 西洋医学は、その部分をエビデンスという文字で消していこうとしているが、

 漢方は、対面から感じ取れる統計学的な要素が強いと思われる。弁証論治の為の様々な漢方理論は、漢方を勉強するためには、最低ライン知っておかないといけないものだが、それより、目の前のお客様の症状とそれを緩和する方法や漢方薬などの臨床経験の集積、そしてそれを統計学的に考察することの方が、大事であろうと考えています。

 とりあえず、漢方医学は、本を読んで造詣を深める事よりも、日々のお客様と向き合って、話を聞き、一緒に考えていくことが大事だと感じている!

漢方のめぐみ(76) 年末年始の過ごし方
2022/12/22
 早いもので、もう12月22日、冬至です。
一番、夜が長いのですが、中国ではこの頃から2月の
終わりまで、一番、身体のケアにお金をかけるそう
です。寒くて血流が悪くなったり冷えることによる、
いろんなトラブルが、身体のいたるところに出てき
ますので、ご注意ください!

 さて、年末年始は、何かとあわただしい時期で、
仕事やプライベートでも、睡眠不足になったり、
疲れが取れにくくなることが多いので、毎日の食事
による栄養補給に気をつけないといけません!

 炭水化物は控えても、タンパク質や緑黄色野菜は十分に摂取しないといけません。

 一気にできるのは鍋料理で、豚肉や鶏肉、お豆腐などのタンパク質に、きくな、水菜などのお野菜をいっぱい取るようにしてください!

 暴飲暴食による胃腸肝臓の疲れには、何も食べない方がいいかもしれませんが、お食事前の健脾散やサメミロンの服用や、食後の晶三仙の服用をお勧めいたします。

 この時期は、風邪、インフルエンザやコロナなどの感染症を予防しないといけません。お出かけ前の、板蘭茶や涼解楽(銀翹解毒散)そして、牛黄製剤の服用が大事になります。

 感染した場合は、風邪薬や解熱剤、咳止め薬に、
グロスミン源液と霊黄参(牛黄+人参)の服用で免疫を再構築しないと長引きます!

 最後に、休みになったからといっても、早寝早起きの習慣はとても大事です。夜は、コロナ感染の可能性が上がるので、遅くとも20時までには家に帰るようにしてください。

 その上に温かい食事、たとえば、みそ汁やスープを摂るようにして、夜は家族でも個人でも鍋物を食べるようにしてください!

漢方のめぐみ(75) 性格別漢方
2022/12/11
 漢方薬やサプリメントを出す時に、体質によって分ける
事がありますが、性格によっても分ける事ができそうだと
考えます。

 とても、神経質な方や、不安が大きい方は、あまり漢方
には向かなくて、医師の診断を受けた方がいいと思います。

 大らかな性格の方は、医療より食事などの生活習慣を見
直すことが一番大事で、家族や周りの人のアドバイスを聞
いた方がいいかもしれません。

 それ以外の、ごくごく普通な方が、漢方には向いていて
、体調の不良やストレスや痛みなどの解消には、漢方薬や
サプリメントが向いていると考えられます。

 ただ、対面でお話して解決法を考えていくのが、漢方の
本質で、残念ながら、リモートや電話などで解決するもの
ではありません。

 結局、安心して対面で相談できる人を見つける事が重要
で、それが医師や薬剤師などの医療関係者よりも、信頼で
きる近くの方を見つけるのが大事だと思います!



漢方のめぐみ(74) 気血水理論の応用
2022/11/29
 気血水理論を応用した考え方と実践方法を説明したいと思います。

 気は、目に見えないものだが、臓器の機能と考えると理解しやすい。

 たとえば、西洋医学的な病気でも、漢方的に考えると、臓器の機能が働かなくなって起こる症状、と考える事ができる。

 気は、胃腸機能が一番大きく関与するので、薬用人参や黄蓮の配合されている漢方処方を選択することが多い!
 さらに、肝機能は、サメの肝油ぁからとれるスクアランや牡蠣肉エキス、高貴薬の牛黄が使われることが多い。

 腎機能は、鹿茸や地黄などの配合されている漢方処方を使われることが多い。

 そして、心機能は、ずばり牛黄や麝香などの高貴薬を使われることが多い。


 血は、ずばり血液の事を指し、タンパク質や緑黄色野菜を使った鍋料理が、その血を増やすのに向いています。
 
 漢方薬では、当帰(とうき)という薬草が配合されたものを使うことが多いが、丹参(たんじん)などの血を流すものも一緒に使う事が多い。


 水は、血以外の体の中の水分、例えば、リンパ液や組織液などの事を指すが、十分な水分の摂取はかなり重要だと思います。

 それ以外には、鹿茸、茯苓、猪苓などの配合された漢方処方を使うことが多い。

 血と水を増やしたり流したりすることによって、気もあがる、つまりある種の免疫機能も上がっていくことは間違いない。

 元気で長生きするためには、牛黄や鹿茸や麝香などの高貴薬を毎日服用することも大切だが、いろんな食品を食べて、血や水を増やしたり流したり(ある種の浄化かもしれない)することの方が大事かもしれません!

年末年始の営業時間について
2022/11/23
 年内の営業は通常通りの営業は、12月30日までです。

12月31日は、昼から20時まで受け付けてますので、よろしくお願いいたします。

 年始は、1月4日から、通常営業、させていただきます。


祝日、土曜日の営業時間について
2022/11/23
 当モチヅキ薬局の休日は、日曜日です。

土曜日と祝日は、昼から18時まで営業させていただきます。

予約も受け付けてますので、

0794222235ほ

まで、お問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

漢方のめぐみ(73) 気血水理論
2022/11/15
 11月は、基本に戻り、気血水理論についてお話させていただきました。

 気は、「病いは気から」の気! 胃腸の機能の意味合いもあり、食べ物の消化吸収機能にも関与していますが、一番には、ストレスの原因にも考えられます。

 脾気という言葉でも表される「気」は、目には見えないものですが、「後天の精(こうてんのせい)とも言われるように、人間の日常生活にかなり関与されています。
 
 そして、ある種の免疫機能にも関与していますので、コロナやインフルエンザ、風邪などの予防にも関与してきます。

 現実的に、「気」が病んでる状態では、精神疾患になりやすく、うつ傾向で家にこもってしまう事も多いので、「気」を上げるためには、外に出て、太陽の光を浴び、おいしい空気を吸わないといけません。

 漢方薬的には、薬用人参や、牛黄の入ってる漢方薬を、服用することをお勧めいたします!

 

漢方のめぐみ(72)漢方の問題点1
2022/06/01
 今年の1月から4月まで、バンバンテレビ&ラジオで、漢方の本質を計8回お話させていただきました。

 いろんな漢方の考え方はあると思いますが、漢方の本質を探る過程で、いろんな問題点も出てきましたので、それを書いてみたいと思います。

 漢方の本質で、まず第一に大事なことは、お客様に
いろんな事をしゃべっていただく事かもしれません。
聞き上手で話しやすい雰囲気をかもしだすことで、身体の事以外の相談の方が増えたりすることも多々あります。

 特に、漢方を勉強されて感銘を受けられた方やベテランの方に多いのですが、自分の考えをお客様に話することばかりで、お客様の話を聞くという姿勢に欠ける場合が多く見られます。たくさんの漢方薬を買わされる薬局によく見られる光景かもしれません。

 漢方は、お客様と私たち漢方相談薬局側の信頼関係を築くことが大事で、それは一朝一夕にできるものではありません。

 お客様のいう事を、すべて聞くという姿勢が大事で、漢方薬を決めるのにも、お互い一緒に考えるという姿勢が大事だと思っております。

 漢方薬を売りたいが為に、お客様の声を聞かない漢方相談薬局は、いつまでたってもお客様の信頼を得ることができず、袋小路に入ってしまったり、漢方薬を出すのがこわくなってしまったりする場合もよく見受けられます。

 確かに経験年数なども大事なファクターかもしれませんが、お客様の事をちゃんと聞いてお客様に寄り添う事が、漢方相談薬局の使命かもしれません。

 私の漢方の師匠の、猪越先生に、漢方を学ぶ上で、初めに教えていただいたことです!


漢方のめぐみ(71) 漢方の本質
2022/01/13
 昨年の12月に、「2021年モチヅキ薬局における漢方の本質」をお話させていただきました。2回の放送10分間で話せる内容ではないことを実感いたしましたので、2022年の1年間かけて、この表題「漢方の本質」の事を、放送とこのコラムで考えていきたいと思います。

 漢方というものが何であるかは、それぞれの漢方の捉え方により時代に即したいろんな解釈がなされてきました。1980年以降は、「中医学」という三文字が中心になって漢方を説明されているような気がします。

 ただ、漢方は、東洋哲学やインド哲学などいろんな哲学や臨床的な考察によって形作られてきました。さらに、漢方薬の原料になる生薬の材料学からの考察も参考にされています。

 勉強すれば勉強するほど、考えれば考えるほど、袋小路に入って、わからなくなることも多々あります。もちろん、その漢方の事をわかりやすく解説された本も多く出版され、その解釈の仕方を勉強すれば勉強するほど袋小路に入って、わからなくなることもあります。

 
 漢方の本質は、その袋小路に入ってからが大事で、どうしたらその袋小路から出ることができるかを考えることかもしれません。

 その方法は、座学で勉強することだけで、解決できる事ではなくて、お客さんと一緒になってその袋小路を出る方法を考えることが大事なのではと考えます。

 そして、そのうえでどんな生薬、漢方薬、いやサプリメントも含めた食品をどう使うのか、日常の食生活を含めた生活習慣をどう改善するのか、ストレスをどう軽減するのかを、お客様と一緒に考え、修正を加え、よりよい健康な生活を創造することが、漢方の本質というか漢方道なのかもしれません。

 これから1年かけて、その本質にできるだけ近づけるように放送やコラムを頑張っていきますので、今年も「漢方のめぐみ」をよろしくお願いいたします。

 漢方のめぐみは、第1第3火曜日、午後12時40分過ぎ(再放送は、20時40分過ぎ)に、兵庫県加古川市のバンバンテレビ&ラジオで放送しております。

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