| 年末年始には暴飲暴食で胃の疲れを感じられる方
が多いと思います。胃の中に何か残っているような
感じや、あまり食事がおいしくなかったり、進まな
かったり、気分が良くならないことが多いです。
これは、漢方でいう「食積(しょくせき)」とい
って、食べすき飲みすぎによる消化不良の症状で消
化管(食道、胃、十二指腸、小腸)の中に食べ物が
留まっているものです。
漢方薬としては、柑橘系のものを配合された物が
よく出されますが、例えば、ミカン、オレンジなど
を食べることによっても、食積を解消するのに役に
立つことがあります。
さらに、ビール、ジュースなどの冷たい物を好む
方は、逆に温かいものを摂ったり、日本酒の熱燗、
熱いお茶などの温かい物を好む方は、逆に冷たい物
を摂ることによって、多少は改善されます。
食積は、胃だけでなく消化酵素を出す、肝臓、膵
臓の機能の低下も見られることが多々ありますの
で、その臓器の機能を上げることも必要になります
が、それは次回の放送で話したいと思います。
食べすき飲みすぎによる胃の疲れには、漢方薬で
は理気剤という物が中心に投薬されます。
漢方薬としては、開気丸、健胃顆粒などの軽い物
から、下痢を伴っている場合は、救心感応丸、人参
湯まで、症状に合った物を飲んでいただくと、早く
症状が改善します。
なかなか症状が改善しない方は、一時的に、黄連
解毒湯や熊胆(ゆうたん)の配合された物(保寿熊
短丸)を飲んでいただくことがあります。
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