咳(せき)は、気管支喘息や心不全につながる可能性
があるので、特におやすみになってから温まって出てく
る咳や、横になって寝ていられない咳は、すぐに病院に
行っていただきたいです。
咳は漢方でいう五臓の「肺」の機能が落ちてくると出
てくるものですから、肺の機能を上げないといけませ
ん。民間療法では、乾布摩擦や早朝の深呼吸など、いろ
んな方法があると思いますが、漢方の考え方としては、
「気」を上げることが必要になります。
漢方でいう「気」とは、五臓の機能(働き)の事で、
気をあげるには、心臓、胃腸、肝臓や腎臓の機能を上げ
ることが必要になります。
気は、見えないもの、例えば、風味とか香りの中に多
く存在しており、旬の食材で出来るだけ新鮮なものの調
理したてのものが適しています。
コンビニ弁当やスーパーのお惣菜には、ほとんど存在
していなくて、そんなものばかり食べていると。「気」
は低下したままになりますので、ご注意ください。
寒い時期ですから、新鮮な食材を使った鍋料理などが
お勧めですが、できるだけ新鮮な緑黄色野菜を摂るよう
にしてください。
小松菜、菊菜、大根葉、水菜、ほうれん草、ニンジ
ン、などがお勧めです。
漢方薬で、「気」を上げる代表的なものは、朝鮮人参
になります。それが配合されているもので、肺の機能も
上げてくれる処方は、六君子湯、補中益気湯、十全大輔
湯などが代表的なものですが、早く効かせるためには、
牛黄の入った処方が望ましいです。
救心感応丸気という処方が、急性症状にも著効がある
ので、咳や風邪が治りにくい場合には、咳止めや風邪薬
と併用するのがいいでしょう。
咳は、心不全に繋がることがあるので、咳がよく出る
方は、平素から予防のために牛黄、八仙丸、麦味散など
の服用をお勧めいたします。 |